Analytical platform

3. 次世代メタボロミクスの技術開発

メタボロミクスの観測対象となる代謝物は、物理化学的性質 (分子量、極性、電荷特性など) が多様であるために、分析手法の標準化や自動化については未だ発展途上の段階です。その上、生体試料中の代謝物濃度はきわめて広く、構造・幾何異性体、あるいは未知の低分子化合物も多く存在していることから一斉分析は困難です。従って、現状技術では1回の分析で全ての代謝物を測定することは実質不可能に近いと考えられています。馬場研究室では、代謝物を網羅的かつ高感度に測定するために、代謝物の物理化学的特性に応じて数種の分析プラットフォームを開発しています (図1)。

図1 ワイドターゲットメタボロミクス分析手法の開発
さらに、「定量メタボローム解析」や「超臨界流体抽出超臨界流体クロマトグラフィー質量分析によるオンライン代謝物抽出・分離・検出技術」、「安定同位体標識を利用した代謝動態解析」あるいは「1細胞メタボローム解析」などの開発も同時に進めています。馬場研究室では、上記要素技術とメタボロミクスデータベース整備や前処理方法の自動化技術を組み合わせることで「次世代メタボロミクス」の確立を目指しています (図2)。下のリンクでは、我々が開発してきた「次世代メタボロミクス」を紹介します。

図2 次世代メタボロミクス技術を基盤とした医学応用研究

(1) 生体脂質分子の定量分析法の開発